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もはや生活習慣病ではない?貧しさゆえに発症する糖尿病の実態

せいたく病のイメージがある糖尿病ですが、海外ではすでに「糖尿病=貧困病」と位置づけられています。

先進国アメリカの家庭の約14%は食料の確保に不安がある貧困層です。この層でのBMI(肥満指数)は31。30以上は肥満ですから、「食料が確保できないくらい貧しいのに肥満」という不思議な結果になっています。

実は、貧困層でも手が出せる安価な食料には加工品やファーストフードといった高カロリー食が多く、野菜が圧倒的に不足しています。しかも、貧しさゆえに食事を摂ったり摂らなかったりと不規則です。こうしたバランスを欠いた食生活が肥満にさせるのです。

肥満になると糖尿病リスクは2.5倍上がります。貧困が肥満を招き、肥満が糖尿病を招いているのです。
※<とにかく!HbA1cを下げる中高年デスクワーカーでも無理がない方法>より

その例がアメリカの隣国メキシコです。欧米から大量に流れ込んだ安価な清涼飲料水やスナックフードが貧しい国民の空腹を手っ取り早く満たしたためにBMIがぐんぐん上昇。今や国民の半数以上が肥満で15%が糖尿病、なおかつ貧困にあえぐ世界一の肥満国となっています。

では、日本はどうでしょうか。
近年は海外同様、背後に貧困問題が横たわっているようです。

特にそれが顕著なのが、20~40代の若年層の2型糖尿病患者です。
2型糖尿病は先天性の1型糖尿病と違い生活習慣で発症するため、40代以降の中高年に多いとされてきました。しかし最近は40代以下でも増えており、その多くがBMI30以上の肥満者です。そのうちの23%に失明の恐れがあり16%に人工透析の必要があると重症度が高いのが特徴です。

彼らの生活背景を調べたところ、ある特徴的なことがらが判明しました。

最終学歴が中卒の人が15%占めたのです。日本全体では3%ですから5倍もいることになります。一方、高卒者は28%。日本全体では45%ですから、ずいぶんと教育格差があることがわかります。

就職に至っては正規雇用が56%、非正規雇用が17%、無職が16%もいます。一般では正規雇用が79%、非正規雇用が12%、無職が7%ですから、こちらもかなり差があります。

どうしてこうなるのでしょうか。
考えられるのは経済格差です。

貧困家庭に生まれたがゆえに低学歴にとどまり、雇用も不安定でいつまでも貧困から抜け出せない負のスパイラルに陥っているところへ食生活の乱れから肥満となり、糖尿病を発症して治療でお金がかかり、やむなく治療を断念、症状が深刻化して病院へ搬送されてしまい、ますますお金がかかって生活は困窮を極め・・・、と二重の負のスパイラルにからめとられてしまうのです。

こうした状況に気づいても、もはや医師や患者の努力だけでは到底解決できません。医療費や医療保険云々の前に、根本的な若年層の貧困問題について大きな改革が必要なのではないでしょうか。